この記事では、心臓リハビリテーション指導士試験や認定理学療法士(循環器)試験に対応できるように、オリジナルの問題を作成しました。
心臓リハビリテーション必携や各種ガイドラインなどを参考に問題から解答・解説まで作成させて頂きました。
著作権などの問題から図や表は自作しており、見づらいことも多々あるかもしれませんがご了承下さい。
【この記事を書いた人】
- 2018年 心臓リハビリテーション指導士を取得
- 急性期病院の循環器病棟に専属で勤務
- 循環器医師に対して、心臓リハビリテーション指導士取得のサポート経験あり
心リハ指導士試験対策 【虚血性心疾患編①】
【問5】心筋梗塞の合併症として誤っているものはどれか
1.左室自由壁破裂
2.乳頭筋断裂
3.たこつぼ型心筋障害
4.心室瘤
5.心不全
下記に答えがあります。
【答え】3
たこつぼ型心筋障害は、左室心尖部の収縮低下と心基部の過収縮で生じる病態です。
一見心筋梗塞のような症状を呈しますが、冠動脈の狭窄はないことが特徴です。心筋梗塞との鑑別が必要な疾患です。
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【問6】心筋梗塞について正しいものはどれか
1.心筋梗塞発症直後~数時間の心電図はST上昇とT波増高を認める
2.すべての患者で胸痛が生じる
3.心筋梗塞発症後の心電図は1年後に正常な波形となる
4.心筋梗塞発症後、最初に冠動脈造影検査(CAG)を行う
5.冠血流予備量比(FFR)が0.8以上で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応となる
下記に答えがあります。
【答え】1
2.高齢者や糖尿病患者では、胸痛が生じない場合もあります。
3.異常Q波は残ります。
4.心電図検査や血液検査、心エコー検査などの非侵襲的な検査を行った後、心筋梗塞の可能性がある場合にCAGを行います。
5.一般的にFFRは0.8以下でPCIでの治療が検討されます。
心筋梗塞の心電図経過をまとめてみました。
FFR=狭窄病変遠位部の冠動脈圧÷大動脈圧で表されます。
例えば図のように大動脈圧は100、狭窄病変遠位部の冠動脈圧は60とします。
すると、60÷100=0.6となります。
解釈方法は、「病変がない場合と比較して、狭窄部病変遠位部の血流量は60%低下している」と解釈します。
臨床的には、患者の病態などを総合的に判断しますが、基本的には0.8を境界としています。(0.8より高ければPCIはしない、0.8より低ければPCIの適応)
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クエスチョンに対するアンサー形式(Q&A形式)で書かれているため、サクサク読み進められます。
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知識の整理にお役立ちになれば幸いです。